高校の頃、夏休みはずっと部活で毎日学校に通っていた。
バスケ部だったので、雨が降ろうが練習が中止になることはなく、だから日曜日は一日寝て過ごすことが多かった。
暑い暑いいうだけで、実際はそんなに暑さを感じない時もあったのだけど、

とにかく体育館の中というのは風が回らない場所だから熱気がこもって熱くなる。
空気が熱いのは実はグランドではなく、体育館の方が暑いということを知ったのはこの頃だ。
野球部だったか陸上部だったか忘れてしまったが、「夏の暑い日に汗をかくだろう?

家に帰ってカルピスなんかを飲む時に塩を入れて飲んでみ。すげーうまいから」と自慢げに話すヤツがいた。
まわりは「えーカルピスに塩? ふざけたこといってんなよなあ」とまったく聞く耳を持たなかった。
当然、誰も試そうと思っていなかったのだ。

ある日のこと。
その日は午前と午後のほぼ丸一日が部活の練習で、

最悪なことにOBもたくさん顔出しにきたから練習の濃さがふだんの倍以上でクタクタだった。
Tシャツは汗を吸い込みすぎて重くなっていたし、バッシュもびしょびしょだった。
家に戻り、扇風機の前でぐったりしていた。
のどが渇いていたから氷を入れてカルピスを作り飲んだ。
一杯で当然足りず、お代わりをする時に不意に塩を入れて飲んでみようと思ったのだ。
だまされたと思ってやってみろよ。絶対にうまいから。
そういうあいつの顔を浮かべながら、乳白色のグラスの中に味塩をひとつまみ入れて飲んでみた。
…驚いた。
メチャクチャうまかったからだ。
あの時のカルピスの味は忘れない。

コメントを残す